四国ツーリング2005 日記
5月4日
四国カルストまでのルート決定
本日また晴天なり。今日の予定は四国カルストを見つつ松山に抜け宿がある西条市までのルートだ。カルストとは石灰岩台地のことで、四国カルストではのんびりとした高原に巨大な石灰岩がゴロゴロと転がった風景を見ることができる。日本にある有名なカルストは中国地方の秋吉台と北九州の平尾台と四国カルストの3箇所。関東に住んでると気軽に見れる風景でもないし、ここはやっぱ行くしかないでしょう。
地図と相談して、国道320号を北東方向へ走り、そのまま国道197号、檮原付近で国道440号に入り、四国カルスト近辺の地芳峠を目指すことにした。
快適な国道320号だったはずが。
8:30出発。途中まで昨日通ってきた国道320号を戻る。車の台数もほとんどなく道も広いので快適。途中途中に
大きなカーブがあり、舗装良し、道幅広く良し、の3拍子が揃い、
景色も良いという特大のおまけがついて文句のつけようがない道。続いて国道197号も似たような感じで、楽しく走ることができた。気持ち良い〜!!
気持ち良・・・かったんだけど、私急にオナカが冷えたようで、ゴロゴロし始めてしまった。結構、
下し系の嫌〜な痛さだ。
なんてこと?せっかくの楽しいツーリング中なのに!
私:「あの〜、私オナカがゴロゴロしてきたので、どこかでトイレ休憩しましょ〜」
旦那:「実はこちらも先ほどゴロゴロしてました〜」
私:「まじすか〜?なんか変なもの朝食べましたかね〜?」
旦那:「きっとアレ(とあるプリン)だと思う」
私:「あぁー。かもしれないですね〜。ところで何もなさそうな道ですが、あるかな、トイレ?」
旦那:「結構
切羽つまってたら、民家に借りましょうか」
私:「
え・・・?民家に・・・!?それはちょっとできないので、GSかコンビニかあったら停まってください〜。まだそんなに切羽詰ってないです」
オナカの痛さは波があり、「もうダメ」と「ふぅ、波が去ったぜ」の繰り返しだ。この
大きい波が7〜8回繰り返されるといよいよ我慢できないことは、今まで生きてきた経験上知っていた。3、4回ほど波をやり過ごした所で
道の駅の看板が出てきた。どうやら、
トイレまではもうすぐらしい。頑張れ、私。
私:「道の駅寄りましょ〜」
旦那:「りょーかーい」
道の駅がある、と分かった瞬間、私のオナカは更に活発に活動し始めた。この耐える苦しみのゴールが見えたのでそのゴールに向けてスパートし始めた・・といった感じである。運転に集中しつつも、必死に波と戦う私。
・・・もう、限界が近い。道の駅は、トイレはまだぁ〜!?
そこに、突然国道440号の案内が出てきた。
自分たちが進むべき道は左折の方向らしい。今走っている197も国道、440も国道。
一体、道の駅はどっちにあるのか!?
旦那:「国道440に行くなら左に曲がらなきゃ。まだ道の駅は見えませんね・・・。
曲がったらあるのかな?まっすぐなのかな?」
大体、自分たちのルートのどこに道の駅があるかなんて、全然頭に入ってない。分かるわけがない。
私:「分からない・・・。でも曲がろう・・・か。」
重要な判断は私が下した。
その判断が全ての間違いだったと気付くのにそう時間はかからなかった。1km走っても2km走っても、一向に
道の駅は現れない。それどころか、
店一つない、農家と民家と自然のみの風景が見えるだけだ。
道の駅・・
こっちじゃなかったんだ・・・
それでもどこか、
堂々とトイレを借りれる場所に行きたかった。もう限界超えて、冷や汗も出まくりなんだけど、必死に運転する。
バイクの振動が・・・まじつらい。
道なりで行けるのかと思ったら、通行止めの箇所があり、道知らないのに、(オナカも切羽詰って大変なのに)、地芳峠の看板を頼りに進むしかなかった。こっちで本当にあってるのか・・・不安で一杯の細い急な峠道を登っていく。一体どこに向かっているだろう?(トイレはあるのか?) バイクを止める平坦な道もあるわけなく、地図を見ることもできないままひたすら進む。この道は車は絶対走れないだろう・・・ていう細さの道も少なくない。
ふいに、山と山に囲まれた谷間にある道路に躍り出た。道は舗装され、地元消防団の駐車場が三角州のような所にある。そこにとりあえずバイクを停めて、辺りを見渡す。
もう、この際、
道路から見えなければ、どこでもいいと思った。
それぐらい危機が迫っていた。
が、ここは山に囲まれた
谷。
よりによって、どの道路からもよく見える位置だ。
平たく言い換えると、ステージ(野便)がよく見えるように客席(道路)が上がってるようなものだ。
無理。ここでは絶対できない!女として・・・いや、
人として無理。
痛さにオナカを守るように背中を丸め、悲痛な顔してる私に旦那が言った。
旦那:「あそこの
民家に聞いてみよう」
民家。
初めはあんなに抵抗があったのに、もう今は
選択の余地なしだ。いや、むしろトイレがある場所という光り輝く存在に変わっていた。
私:「貸して・・・くれるかなぁ?」
バイクから歩いて80M程のところの一番近くの民家にダメもとで近寄ってみる。300坪はありそうな、大きい、昔から建っているような古いおうち。家の庭ではワラビが干されていた。きっと山で取ってきたものなのだろう。そして、ワラビを片手にこちらを見てるおじいさんを発見!
旦那:「すみません、トイレ貸して頂けますか?」
若干無口なおじいさんだったけど、「こっちだよ」と奥のトイレへと案内してくれた。
断られたらどうしよう、断られても耐え切れる自信はなかった。土下座してでも借りたい気分だった。がしかし、想像してたよりも遥かに簡単にトイレが手に入った。
自分の変なプライドは初めから捨てるべきだったのだ
家に上がるのか、と思ったら外から入れるトイレだったので、少し気持ちがほっとした。だって、排ガスまみれのライダーの格好でお宅にあがってトイレだけ借りるなんて、とっても気がひける。多分、このトイレは農作業しててもすぐ行けるように設計されたものなのだろう。
「有難うございます!」と深深とお礼して、トイレに入った。もう安心だ。
私がトイレに入ってひと段落し、緊急事態から解放されていると、ドアの外から旦那が
「まだ?実はこちらもかなり切羽詰って・・・」
なんだ、旦那も結構非常事態だったのね。
いやいや、おじいさん、本当にありがとうございました。
一難去ってまた一難・・。地芳峠までの険しい道
さて、ようやく落ち着いて頭を働かせることができるようになった状態で、
一体ここがどこなのかを地図と照らし合わせる。休憩してると3分に一台くらい、車が通るので、車が通るたびに四国カルストまでの道を聞いてみるものの、地元の人でも、「僕らはこちらから行くつもりです」 「オレはこっちから行くよ。その方が早いよ」と
みんな言うことが違う。
ネックになっているのは、
メインの一部の道が通行止めになっていたので、迂回路で行かなければならないということだ。
それでも、後から教えてくれた人の道は
「とりあえず全部アスファルトだ」と自信を持って言ってくれたので、そちらを選ぶことにした。
とりあえずというのがひっかかるのだけど・・・進むしかないだろう。
とりあえず軽く暖気して、行く方向を定めた。要は上り坂上り坂で行けば良い筈だ。ブォーンとアクセルをふかし、教えてもらった道へと進んでいく。道端には日向ぼっこをしてるおじいさんが私たちを見てた。
「バイクかぁ〜。わかいねぇ。」と思ってたかどうかは分からないけど、そのおじいさんの横を通り過ぎ、100m行った所でT字路になったので、上り坂の方に進んだ。ブォーン・・・・緩やかなカーブの後見えてきたのは
先ほどのおじいさんだった。
どうやら、私たちは広い一件の民家の周りを一周してきたようだ。
大型バイク2台で、旦那はシルバー、私はトリコロール。1分前に去ったその2台を忘れるわけがない。おじいさんは、どんどんマフラー音と共に近づいてくる私たちを見て、よいしょ、と立ち上がった。
おじいさん:「だ〜めだよ〜。戻ってきちゃ〜。」
あ、あの・・・私たちも好きで戻ってきたわけじゃないんです・・・
おじいさん:「あっち。あっちに行かなきゃ〜」
大袈裟と言いたくなるぐらいの身振り手振りで指示してくれる。
あっち、とはどっち?
T字路を下り坂になっている右に行け、ということなのか。
おじいさん:「行ったかな〜と思ったらす〜ぐ戻ってきて・・・なぁ〜にやってんのぉ〜」
可笑しくて堪らない、って感じだ。ちょっと恥ずかしい旦那と私。ありがとうございました、と言って再チャレンジだ。
一度道は間違えたものの、その後は一応一本道で迷うことなく進んだ。
しかし、この道の険しいこと険しいこと。四国に着いてから幾度となく細く険しく大変な道を通ってきた。しかし、それが「甘かった」と思わされるくらいの細くてアスファルトが途切れ途切れで、
半径2mくらいしかないんじゃないの!?(←あくまで体感です)っていう
ヘアピン続きでしかもそれが上り坂ときた。対向車がないのが、せめてもの救いだが、対向車が来る可能性もあるので、カーブの入り口ではひたすらクラクションを鳴らしながら突き進む。
大分・・・登った。半クラでアクセル明け気味の坂もいっぱいあった。一体どこまで続くのか・・・。地芳峠はまだ見えない。
休憩するにも場所がなくひたすら登るのみ。転ばないうちに終わって、この道・・・切にそう願い始めた時、地芳峠に着いた。
県道383号に出たそこからの景色は素晴らしかった。こんなに登ってきたんだ・・・(しかもあの険しい道を)と自分を褒めたいくらいだ。
五段高原の方へと少し進んだ所で、駐車場を発見。たくさんのライダー、車が停まっていた。ここにいる全ての人がみんなそれぞれに苦労して登ってきたんだろう。そして、多分多くの人がカルストに行く道がこんなに険しいものとは知らなかったのかもしれない。
国道197から県道383号に抜ける国道440号がとりわけ厳しいって話もあるが。だって地図を見てもヘアピン続きは一目瞭然だ。
「これでも国道!!狭く高度差も大」だって。
石灰岩がゴロゴロしてる。ここが四国カルストだ
それは実際に見ても異様な光景だった。写真で見ても「本当にこんな場所があるんだ?」と思ってたくらいなのに。緑の牧草地に巨大な白い石が無数に転がり、牛が放牧されている。なんとなく
アルプスの少女ハイジの世界に来たような感じ。アスファルトは少し傷んでいる部分もあったが、問題なく走れた。走る車やバイクはみんな景色に見とれているし、写真を撮るスポットを探してたりするので、挙動に気をつけよう。
さーて、到着したのはいいけど、どこで写真を取ってよいのやら。低速で走っているとすぐに、沢山バイクや車が停まっている駐車場があったので、とりあえずそこで一休憩。
メットを脱いで「ぷはぁーーー」と新鮮な空気を吸う。なんて見晴らしが良いのだろう?
あの険しい道でこんなに高い所まで上ってきたんだぁ、とすごく感動を覚えた。
そして、ここにいるバイクや車の多いこと。みんなあの難関の道をクリアしてここまで来たんだね。
標高を表す看板に1300Mと書かれている。
1300Mかぁ〜!!(←妙に感動)
県道383号沿いにカルストは広がっているので、とりあえず様子見に五段高原を通り、カルスト学習院まで走ってみることにした。
そうそう、高原地帯だから空気が薄いのか、酸素が薄いのか、
私のCBRがエンストする症状に陥った。少しアクセルを吹かして回転数を上げておかないと、すぐにストンと落ちてしまうのだ。いろんな環境に合わせて運転を微妙に変えるということを学んだよ。
それにしても右に左に広がる景色!
来るの大変だったけど来て良かった〜。
写真の白い風車は五段高原の途中で撮ったものだ。
道の駅「みかわ」でそうめんを食べる
カルスト学習院まで行ったら中は時間の関係上中は見学せずに、折り返して今来た383号を戻った。この先は、国道440号を先に進むような感じで北上し、国道33号を目指す。さっき走っていた道ほどでもないが、かなり細いカーブの道を下っていく。道はアスファルトだけど、周りは木だらけ。木、というか林、というか、森??
森の中をどんどんと下っていくと、その光景がとあるイメージと頭の中で合致した。それは、「となりのトトロ」でネコバスが颯爽と森の中を抜けていく・・・場面。今の私たちはまさにそれだった。
気が着くと私の顔も旦那の顔も口がネコバスのように三日月になっていた。(←なってない、なってない)
ずっと山道は続き、2車線になったかと思えば1車線に絞られるの繰り返し。対向車も結構飛ばしてくるので、気をつけて走ろう。
グルッとループしたら国道33号に出た。この道は片側1車線ずつがキープされてて良かった。そろそろオナカも空いたし、道の駅「みかわ」で一休憩でもしようか。
出てきたみかわそうめんはピンクと白で色合いが良い。味も良く、頼んで大正解だ。周りのお客さんは私たちのそうめんを見て、「あれ?そうめんなんてメニューに載ってたかな?」という不思議顔だ。
実は、このそうめん、メニューには載ってなくて、壁に張り紙で「名物 みかわそうめん」って書いてあっただけ。なので、私と旦那はそうめんを頼んだけど、周りで食べている人はいなかった。
町おこし物品としてそうめんを作ってますとお土産物売り場に書いてあるのだ。
味は美味しかったのし、産地モノとして売りにしたいなら、もっときちんとみんなが食べらるように宣伝すればいいのにな〜。
都会の松山 道は大渋滞
県道33号は普通に2車線のままの山越えの道。安心の道だったけど、車の台数が多かったのでかなりののんびりペースで走る。三坂峠を越えた辺りで道後平野が目の前に現れた。上から海を眺める景色もいいけど、眼下に平野が広がるのもまた趣向が違って面白い。結構急な下り坂のワインディングで高度を落としていく。松山はもうすぐだ。
本当は松山といったら、道後温泉が近くて、せっかく四国に来たのだから一回くらいは温泉に入りたかった私。しかし、四国カルストまでの激細道の疲れが温泉に行く元気まで奪っていた。今日はホテルにたどり着くのが精一杯だよ・・・。
旦那 : 「温泉くるんだったら今度飛行機で来なよ」
「来なよ」って・・・。えぇ?一緒に来てくれないの??
道は急に繁華街へと変わっていく。車の台数もぎっしり、街の中心地だから仕方あるまい・・・と思うものの、疲れがたまっている所に渋滞は効いた。もうぐったり。
国道沿いのコジマ電気でトイレ休憩をして、地図でルート確認をしてから国道11号にて新居浜方面へ。この道では元気な(無茶な?)走りをするゾッキー風バイクがちらほらと。改造車もお目にかかった。そんな彼らは私たちをさっさと抜いて見えなくなった。私たちは、もうおじさんとおばさんですからね、それに4日間のツーリングで体にガタがきてますからね、若者達は先にいってくださいまし・・
東予で一泊。夕焼けの写真撮影大会
国道11号から国道196号で4〜5km行った所に今夜の宿があるはずだ。私が目印のサークルKとサンクスを勘違いしてしまった為、5km程行き過ぎて、戻ってくるのに巻き込まれなくてもいい渋滞に巻き込まれるという災難がふりかかったが、知らない道だった・・・ということで許してもらう。いや、疲れている時に道を間違えると疲れが倍増する。
(・・・松山で温泉絶対入りたいなんて駄々こねなくて良かった)
ホテルに着いたのは16時頃。明日は東京まで帰らないといけない。高速渋滞を考えてかなり早朝の出発予定なので、今日は早めに寝ることにする。
ホテルの周りにはこれと行って徘徊する所も元気もなかったので、ホテルのレストランで夕食を食べた。
これが四国最後の夕食だ。
あそこが楽しかった、ここは怖かった、とデジカメの写真を見ながら思い出話に花が咲く。
いろいろハプニングもあったけど、楽しかったよね、四国!!
部屋に戻ると綺麗な夕焼け。全然期待していなかったのだけど、このホテル、周りに高い建物ない為に部屋からの景色が良かったのだ。最後の余力を使って旦那と「どちらが良い夕焼けを撮れるか」を競ってカメラマンになること30分。私は30枚くらい撮ったけど、旦那は46枚も撮ってた。それって撮りすぎですから〜!デジカメならではの撮影枚数だね。
そんな感じで四国最終日の夜は更けていくのだった。